ひなた 吉田修一

ひなた (光文社文庫)

ひなた (光文社文庫)

大学生の尚純、アパレル広報勤務の彼女、尚純の兄、編集者勤務の兄嫁、それぞれの4人の視点で描かれている。
至って普通の日常、幸せそうな家族、外から見れば良くみえるのだが、それぞれが色んな思いを抱いていて、実はすごく不安定なのだ。
同性愛、不倫、尚純の出生の秘密など、重くグサリとくる部分が多いが、さらっと描かれているからか、暗い気持ちになるわけでもなく、後読感も悪くない。不安定な中で感じる「幸せ」が、ところどころにちりばめられている。