授乳 村田沙耶香
- 作者: 村田沙耶香
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 単行本
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表題作「授乳」を含め、3作品が収録されているのだが、一番印象に残ったのは、ぬいぐるみを恋人にする女と少女の話だ。少女は、恋人と結ばれるためにラブホテルに行きたがったり、心中未遂まで起こすのだ。
ぬいぐるみが恋人なんて設定は現実には考えられないのだが、設定どうこうより、「女は産まれた時から女」ということが滲み出ている。
表題作の「授乳」は、自分の中にある程度腐った女があると感じている中学生が主人公。「女」を使い、だが時には「子ども」の立場を利用している。
人の厭な部分を見せられたような嫌悪感はあるが、それが決して不快ではなかった。この著者の他の作品も近々読んでみようかと思う。