ほかに誰がいる 朝倉かすみ

ほかに誰がいる (幻冬舎文庫)

ほかに誰がいる (幻冬舎文庫)

最初は、10代にありがち(?)な同性への憧れを書いているのかと思っていたのだが、読み進めるうちに、主人公の想いはどんどん重くなる一方。相手を想う度に、自分がすり減っていく様子がリアルに描かれていて胸が痛くなる。時々、これほどまでの想いに恐くなる。
絶対におかしい、狂っている、と思うのに読後感が悪くないのも良い。

ただ、想いを寄せている相手の魅力が、いまいちわからなかった。そこまで執着するほどの魅力は何だったんだろうかと思うが、もしかしたらそこはあんまり重要でないのかもしれない。主人公は彼女を初めて見た時から(会話をする前から)、想い続けていたんだし。