三面記事小説 角田光代

三面記事小説

三面記事小説

実際の三面記事を発端とし、その事件の裏側を書いた6つの短編集。
事件は実際に起きたものだが、この本に書かれている内容はあくまでフィクション。犯行に至るまでの経緯や容疑者の心情などを作り上げて書いたという。

新聞やニュースだけでは全てを知れない。それがこの本には書かれているのだが、どの話も実際にこういった背景があったのではないかと思わせる。下世話で身勝手な事件ばかりだけど、心が痛くなるような作品にしてしまうのは凄い。特に「光の川」、読んでいて苦しくなる。
事件を扱ったもののため、内容はダークだが、後読感は決して悪くない。
角田さん、こんなのも書けちゃうのね。とびっくりした。