波打ち際の蛍 島本理生
- 作者: 島本理生,日端奈奈子
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/07/31
- メディア: 単行本
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お互い惹かれ合ってるのは確かなのに、心と体が一致しない、近づきたくても近づけない、不安でバランスを崩していく感覚が手に取るように伝わってくる。
物足りないのは主人公と惹かれあう蛍の人物像。男性の登場人物が薄い。
「ナラタージュ」でも男性陣がぼやけているように感じたし、この本だと、メインである蛍よりも、従兄のさとるのほうが断然良くみえてしまう。
この著者の本は、この作品以外もベタな恋愛小説が多い。
私はあまり「泣かせる恋愛小説」の類が好きではないし、内容のみだと綺麗事にしか感じないのだけど、文体の透明感が好きで、つい手に取ってしまう。丁寧に書いていることが伝わってくる。