どきどきフェノメノン 森博嗣

どきどきフェノメノン

どきどきフェノメノン

理系の男と女の話
主人公の女は24歳の大学院生。爽やかな後輩、人形オタクの後輩、助教授、父の友人の怪僧、主人公は日常生活の中で感じる「どきどき」を探している。
初めに言っておくと、「ミステリィ」と紹介されているがミステリー要素はない。森博嗣の本だからとミステリーを期待してはいけない。恋愛小説だが、泣けるようなものではなく、どちらかといえばコメディ。

日常の中で感じる「どきどき」、それはその日を楽しく幸せにするものだ。主人公は助教授に憧れを抱いているのだが、「どきどき」欲しさに、ストーカー一歩手前くらいの行動もしてしまう。そして妄想もする。それが彼女の原動力になるのだ。もちろん周りは挙動不審な行動を見ているし、ストーカー一歩手前の行動もどうかと思うのだが、女性ならこの「どきどき」が欲しいという感覚わかるのではないだろうか。
だが、どうしてもラストに消化不良な感覚が残る。無理に持っていった感じがするのだ。あと、主人公に感情移入が全くできなかったのは、私が理系ではないからか。