けちゃっぷ 喜多ふあり

けちゃっぷ

けちゃっぷ

ラストに納得できず
引きこもりで口のきけなくなった主人公は、ブログに思ったことを書いている。主人公のブログにアクセスしてきたヒロシという人物に、会わないかと言われ、彼の仕事場に一緒に行くことになる。主人公は話すことが出来ないので(時々は声を出すが)ヒロシとの会話もブログにアップすることで行われる。思ったことを携帯からブログに書く→それをヒロシがチェックする(となりにいても)という流れだ。


主人公の軽いノリと語り口は読みやすい作品かもしれないが、これは好みがわかれそうだ。私は最初の1ページを読んで、失敗したと思ってしまった。また、外見が良いが冴えないAV男優、AV男優になるきっかけになった元彼女、バイセクシャルの監督など、主人公含め濃い登場人物なわりに、それぞれの良さが出ていないように感じた。ぶっ飛んでる主人公だったが、ラストも大人しく収まってしまったように感じる。話の軸がしっかりしていなく、薄っぺらさが際立つ。
文藝賞受賞作らしいが、文藝賞らしいといえばそうかもしれない。