夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

馴染めれば最高に面白いはず
京都を舞台にした、黒髪の乙女とその乙女に恋する大学生の連作短篇。内容は二人の恋愛模様で、それが4章に渡って書かれているが、恋愛小説で片付けてしまうのは勿体ない。
まず時代がいつなのかが気になってしまう。和を感じさせる文体で、明治辺りの話なのかと思いきや、現代に通じる部分もあり、ファンタジーのような不思議な感覚になる。
あとは独特の言い回し。ユーモアもあり、変わったリズム感だ。「ポップでキッチュ」という言葉がぴったりの作品だと思う。


残念なことに、私はこの文体に馴染めなかった。回りくどく、余計なものが多すぎるように感じた。