余命 谷村志穂

余命

余命

究極の選択
結婚して10年。妻は外科医、夫は売れないカメラマン。妊娠したと同時に、完治したと思っていた乳癌が再発してしまう。再発したことは誰にも言えず、長期の出張で夫は不在という中、一人で病院を探し出産。
がんの花が咲くシーンがリアルだ。夫に帰ってきてほしいと願う辺りも、切なく、苦しくなる。

女性ならきっと考えてしまう。
ラストは暖かく、悲しく苦しい話なのに、読後感は悪くない。母性や母の強さだけでなく、父親の強さも感じられる。