むかしのはなし 三浦しをん

むかしのはなし

むかしのはなし

現代なのに近未来的
かぐや姫や桃太郎などの日本昔話をベースに作られた短編集。短編集といっても、それぞれの話が少しずつリンクしている。昔話をSFっぽくしてしまう技量がすごい。
SFといっても、コテコテな感じではなく、地球が滅亡するまでの日常をさりげなく綴っている。だからSFに苦手意識のある私でも抵抗なく読めた。
どの話も何となく哀しさが残るのは何故だろう。シンプルな文体のせいか、地球滅亡までの日常を書いているからか。私はやはり最終話が好き。好きというか、残った。