殺人鬼フジコの衝動 真梨幸子

殺人鬼フジコの衝動

殺人鬼フジコの衝動

生々しい描写の為、読み進めるのには気力がいる
一家惨殺事件で家族を失った10歳のフジコ。自分は絶対母のようにはならないと思いながら生活しているが、いつからか狂い始めてしまう。人の目を気にし、母のようになりたくないと願いながらも同じような人生を歩み、次々に人を殺していく。最後のほう、どんどん殺人を行っていくあたりは、恐さはなく、寧ろちょっとギャグに感じてしまった。
だが、虐待のシーン、フジコが殺人鬼になっていく過程は恐い。ミステリーというより、もうホラーの域。


あとがきまでが(細かく言うとあとがきの裏まで)1つの本となっていて、実話だと錯覚させるような書き方。一番恐かったのがあとがきでのどんでん返し。実際"どんでん返し"とまでは感じなかったが、そこにいきついたのが恐かった。でもカルマから逃げ出せたことにホッとした。