イニシエーション・ラブ 乾 くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

女のしたたかさ
SIDEAとSIDEBから成る物語。SIDEAとSIDEBの登場人物、彼女であるマユは同じだが、彼氏であるたっくんは別人。二つの章を読み比べると、AとBは同時に進んでいる部分がある。
Aは、マユと合コンで知り合ったたっくんの話。
Bは、マユと以前から付き合っているたっくんの話。


途中文章の違和感は感じたが、これに気付いたのは最後の2行目。裏表紙の「最後から二行目で、本書は全く違った物語に変貌する」とあったが、その通りだった。「必ず2回読みたくなる」と評された本らしいが、確認の意味での再読はあるが、楽しんで読み返すというのは残念ながらなかった。
発想としては面白いが、中身の薄い恋愛小説といった感じ。