卵の緒 瀬尾 まいこ

卵の緒 (新潮文庫)

卵の緒 (新潮文庫)

母の強さ
主人公は自分を捨て子だと思っている小学生。少し変わっている母親とは血がつながっていない。不登校の同級生や母親の彼氏も出てくる。
重いテーマに感じるが、全くそんなふうに感じさせない文体で書かれている。
血のつながりがなくても、愛情から一人で息子を育てた母の強さが伝わってくる。血のつながらない息子を愛していることを、行動だけじゃなく言葉でも伝えている。あと、好きな人と美味しいものを食べるシーンも読んでて幸せな気分になる。
併録されている「7’s blood」も、母親が重要な人物になっていて、2作とも優しく、すっきりしていて、読後感がすごく良かった。