アッシュベイビー 金原 ひとみ

アッシュベイビー (集英社文庫)

アッシュベイビー (集英社文庫)

ずっと残る不快感
キャバクラで働くアヤは、大学時代の同級生のホクトとルームシェアを始める。どこからか赤ん坊を連れてきたり、動物を犯したりと、ホクトが小児愛性だと知ってから、アヤはバランスを崩していく。大好きな人とセックスしても結婚しても満たされず、殺して欲しいと願う。歪んでいる。

歪んでいる話は嫌いではないが、この本は不快感しか残らない。後味の悪さがずっとまとわりついている。
アヤの好きな人への想い、愛しているから殺されたいという感情、ずっと抱いてる虚無感、この辺りの歪み具合はすごく良いし、動物的で好きなのだが、どうしても動物虐待・幼児虐待のほうに目がいってしまい、その部分に対する不快感が勝ってしまった。あとは、「蛇にピアス」でもそうだったが、品のなさが苦手だ。