ほかに踊りを知らない。 川上弘美

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))

どこまでが本当で、どこまでがウソ?と、不思議な感覚が残るエッセイ。
雑誌に掲載されていたらしく、日記形式になっている。

まさに川上ワールド全開で、2004年から2007年に書かれたものらしいが、古く懐かしい印象を受け、読み終わった後におかしな感覚に陥る。そして、癒される。
桃の香りが良くて、香りを消したくないがために、何日もごはんを作らなかったり、粗大ごみを出して少し悲しくなったり、どこまでが本当なのかわからないような話が多い。


何でもない日常を、(うそが交ざっているとしても)こんなに素敵に描けてしまうとは…!
1年に1回くらい、ふと手にしたくなる本だ。


ちなみに、タイトル「ほかに踊りを知らない。」の「踊り」は、東京音頭だった。
壊れたファックスの前で踊ってみる東京音頭