魔欲 山田宗樹

魔欲

魔欲

ある日、広告会社で働く佐東は、夫のいる比呂子に別れを告げられる。だがその後、比呂子の夫が自殺をしたことで、佐東も自殺衝動に駆られるようになる。
話は、佐東からの視点と、佐東の主治医の視点の二つの軸で構成されている。

とってつけたような佐東と主治医の共通点には、正直がっかりしてしまう。
前半でやたら細かく書かれている広告業界の話は、かなり面白く、その時点では物語に引き込まれていたのだが、結局それは本題と関係性がなかったのも理解に苦しむ。
あそこまで細かく、登場人物もたくさん出てきたのだから、何かしらの繋がりが欲しかったのだが…。
嫌われ松子〜」がよかっただけに少し裏切られた気分。