毒殺魔の教室 塔山郁

毒殺魔の教室

期待はずれの真相
第7回『このミステリーがすごい!』優秀賞受賞作品らしいが、全くすごくなく本当にがっかりしてしまった。

小学生が同級生を砒素で毒殺し、その後3日後に犯人も砒素を飲み自殺するという30年前の事件の真相を洗い出していくという話だ。各章、その事件のあったクラスの人物が告白形式で真相を話していくのだが、「真相」と呼べるほどのものなのかと感じてしまう。この告白形式も、長く感じる。
事件を調べるきっかけとなった元担任の心情がプロローグにしか書かれていないため(仕方がないのかもしれないが)、この事件を調べようと思ったり、事件の真相が見えてくる中での心の動きが全くわからない。
読み始めは、「真相」に期待をし読み進めていったが、終盤は話にまとまりがなく話が薄く感じる。