ナラタージュ 島本 理生

ナラタージュ (角川文庫)

ナラタージュ (角川文庫)

ストーリーよりも文体を評価
大学生の泉が、高校時代からずっと思いを寄せていた葉山先生。彼氏もできるが、葉山先生への想いは消えない。つかず離れず微妙な関係を続ける二人だが、葉山先生は結局自分の家族のところに行ってしまう。
内容は普通の恋愛小説。ドロドロしてるわけでもなく、ひねりがあるわけでもない。
結婚を控えた泉が、葉山先生を知っている仕事関係者と知り合い、葉山先生も自分を想っていてくれたことを知るというラストで、これもわりとありがちなパターン。


ただ内容どうこうより、印象深かったのが文体の綺麗さ。情景描写が美しい。
時間の流れのゆるさと、この丁寧さが苦手な人もいるだろうが、私はすごく良かった。これがあるから、泉の葉山先生を想う感情が伝わってくる。